#018.結末は絶対意外な結末~遠足は投票で~

「みなさん。もう5月ですね。ということで!遠足があります!6年生は小学校最後の遠足です。いい思い出を作りましょう!」

6-B組に担任の中山のぞみの声が響き渡る。

今ここでは、遠足の話をしているのである。

 

でも、みんなあまり乗り気ではない。

「一年時さ、虫取りだったじゃん。あれ、マジ最悪だったわ―」

「わっかる~。費用、結構かかっていいからマシなとこ行きたい」

女子からは夏の外遊びは人気がない。

とか言って、

「3年の時の博物館ヤダった」

「それな。公園でも行けばよかったのに」

室内系にすると男子に人気がな。

困った先生たちはある決断を下した。

―投票で決めよう―

この学年合計で102人。

女子の方が少し人数は少ないが、室内遊びが好きな男子もいる。

これで公平だ。

 

先生は乗り気でない皆に声をかけた。

「みなさんは、どっちがいいですかー?野外で楽しく走り回ったりスポーツのできる広い公園か、中で涼しく楽しい体験のできる科学館。バスに乗りながらの景色を見るツアーもありますよ。なんと、今年は学年ごと多数決できまます!」

そういって瞬間、皆こっちを向いた。

やる気満々だ。

 

私ー安奈―は、科学館が良かった。

でも、この選択肢は結構われると思う。

私はパソコンで決めて送信を押した。

お願いーっ!科学館であって!!!

 

翌日先生が言った。

「景色ツアーになりました。科学館と一票差でした。」

すると周りの女子が歓声を上げた。

「やったー!!!日焼けしたらヤダし、遠足まで来て科学とかちがうよねー。」

「ほんっと、よかった。これだと、めっちゃ話しできるじゃん」

でも、私は泣き崩れた!

「何で、なんでっ!!!みんな、科学館にしてくれなかったの!?」

すると先生が恐る恐る言った。

「あの…言いずらいんだけど。アンナさん、ツアーに投票してるよ」

え?私はびっくりして確認したら…ツアーになっていた。

パソコンによる押し間違いだ。

もし、私が科学館にしていたら、科学館になっていた。

ウソ、でしょ…。

※フィクションです。