「ねえねえ。愛ちゃん」
ある日私は、友達の恵美ちゃんから声をかけられた。
「ねえ。これどうすればいいと思う?」
そこにはクラス中の仲良し女子(10数人)が集まっていた。
「何事?」
私は身を乗り出した。
「あのね。さっきトイレに行ってたんだけど、これを見つけたの。」
そう言って恵美が渡してくれたのは4つ折りされている紙。
「中身を見るのは悪いと思ったけど、見てみたの。あのね…。中身が…ラブレターだったの」
開けてみると内容は確かにラブレターで、あて先は隣のクラスの戸波くん。
ただ、差出人が書いていない。
私たちは話し合った。
「え?もう、戸波君に上げたら?」
「ええ~?でも、勝手に渡すのもどうかと思わない?見つけたら上げてって書いてないし。」
「先生に相談するのはどう?」
「なんかイマイチ」
「元あった場所に置いとくのは?」
「差出人が置いていったのかもだけど、私たちみたいに又誰かが拾ったら噂が広まって可愛そうじゃん?」
いろいろ案が出たけど、どれもなかなか全員賛成ではなかった。
結局一番賛成派の多かった、「元の場所に置いとく」にすることにした。
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「ん~。どうしよう」
私は自然と口からそういう声がこぼれ出た。
「失敗か~。手紙2号でも書こっかな」
私は恵美。
あの、戸波君あての手紙、私が書いたの。
だって、戸波君ってかっこいいじゃん?
自分が見つけたのにして、あげたかったのに~~~。
2合目でも作ろうかと思ってね。
※この話はフィクションです。