#010.結末は絶対意外な結末~謎のラブレター~

「ねえねえ。愛ちゃん」

ある日私は、友達の恵美ちゃんから声をかけられた。

「ねえ。これどうすればいいと思う?」

そこにはクラス中の仲良し女子(10数人)が集まっていた。

「何事?」

私は身を乗り出した。

「あのね。さっきトイレに行ってたんだけど、これを見つけたの。」

そう言って恵美が渡してくれたのは4つ折りされている紙。

「中身を見るのは悪いと思ったけど、見てみたの。あのね…。中身が…ラブレターだったの」

開けてみると内容は確かにラブレターで、あて先は隣のクラスの戸波くん。

ただ、差出人が書いていない。

私たちは話し合った。

「え?もう、戸波君に上げたら?」

「ええ~?でも、勝手に渡すのもどうかと思わない?見つけたら上げてって書いてないし。」

「先生に相談するのはどう?」

「なんかイマイチ」

「元あった場所に置いとくのは?」

「差出人が置いていったのかもだけど、私たちみたいに又誰かが拾ったら噂が広まって可愛そうじゃん?」

いろいろ案が出たけど、どれもなかなか全員賛成ではなかった。

結局一番賛成派の多かった、「元の場所に置いとく」にすることにした。

「ん~。どうしよう」

私は自然と口からそういう声がこぼれ出た。

「失敗か~。手紙2号でも書こっかな」

私は恵美。

あの、戸波君あての手紙、私が書いたの。

だって、戸波君ってかっこいいじゃん?

自分が見つけたのにして、あげたかったのに~~~。

2合目でも作ろうかと思ってね。

※この話はフィクションです。