#008.結末は絶対意外な結末~差し入れクッキー~

私たち・美香子たちの会社の1階には「差し入れスペース」という差し入れコーナーがある。

ここでは、仕事で疲れた社員のために、差し入れを置くところだ。

例えば、私はこの前、マカロンを10個差し入れスペースに置いてみた。

私は「差し入れスペース係」。

少し早めに出勤して差し入れの整理をする。

私は今日も早めに出勤して、昨日の夜に置かれた差し入れを整理していた。

「あれ?」

そんな私に見えたのはクッキーの箱。

たまにいる、こんな風にはこのまま置いていく人が。

並べて帰ってもらうと、ありがたいけど別に箱ごとでもいい。

それを整理するため私がいるんだから。

わたしは、そのクッキーも含め整理を始めた。

 

仕事が一通り終わって、差し入れスペースに社員がやってきた。

私がゼリーを開けようとした時だ。横で怒っている社員がいた。

由美子だ。由美子は私と同じ差し入れスペース係で、在庫確認が役目だ。

少し性格が悪い。

「どうしたんですか。由美子さん」

由美子は私をにらんだ。

「このクッキー。置いたの、美香子さん?これ、差し入れじゃないの。見て、高いメイカーのものでしょう?」

確かに、少し高いクッキーではあった。

差し入れじゃなかったとは。

「すみません。クッキーが差し入れスペースに入っていたので、分からなかったんです。どうすればいいでしょうか」

「残っているクッキーでもいいから返して頂戴!」

私たちはペコペコ謝りながら残りのクッキーを渡した。

その少し後、社員たちが又、階段から下りてきた。

少し仕事が遅く終わった人たちだ。

私が様子をうかがうと(差し入れの物がちゃんとスペースに出ているか確認するため人の様子をうかがう)オロオロしている人がいた。

美樹さんだ。

「どうしたんですか。」

「あの…。私、差し入れのクッキー持ってきたんですけど、なくて…。もう売り切れましたか?」

「まさか。見てましたけど、まだ何も売切れてませんよ。えーと、すみません。置いてなかったかもしれません。…商品名は何ですか?」

「あの、クッキーで、△〇☆何ですけど。昨日、箱で置いたんです」

思い当たることが一つあった。

由美子が持って行ったクッキーのメイカー名は「△〇☆」

そのクッキーも箱ごと置いてあった。

由美子は性格が悪く意地悪な社員だった。

※会社情報、個人情報、メイカー名全て、でたらめです。

※この話はフィクションです。実話ではありません。