私たち・美香子たちの会社の1階には「差し入れスペース」という差し入れコーナーがある。
ここでは、仕事で疲れた社員のために、差し入れを置くところだ。
例えば、私はこの前、マカロンを10個差し入れスペースに置いてみた。
私は「差し入れスペース係」。
少し早めに出勤して差し入れの整理をする。
私は今日も早めに出勤して、昨日の夜に置かれた差し入れを整理していた。
「あれ?」
そんな私に見えたのはクッキーの箱。
たまにいる、こんな風にはこのまま置いていく人が。
並べて帰ってもらうと、ありがたいけど別に箱ごとでもいい。
それを整理するため私がいるんだから。
わたしは、そのクッキーも含め整理を始めた。
仕事が一通り終わって、差し入れスペースに社員がやってきた。
私がゼリーを開けようとした時だ。横で怒っている社員がいた。
由美子だ。由美子は私と同じ差し入れスペース係で、在庫確認が役目だ。
少し性格が悪い。
「どうしたんですか。由美子さん」
由美子は私をにらんだ。
・
・
・
「このクッキー。置いたの、美香子さん?これ、差し入れじゃないの。見て、高いメイカーのものでしょう?」
確かに、少し高いクッキーではあった。
差し入れじゃなかったとは。
「すみません。クッキーが差し入れスペースに入っていたので、分からなかったんです。どうすればいいでしょうか」
「残っているクッキーでもいいから返して頂戴!」
私たちはペコペコ謝りながら残りのクッキーを渡した。
・
・
・
その少し後、社員たちが又、階段から下りてきた。
少し仕事が遅く終わった人たちだ。
私が様子をうかがうと(差し入れの物がちゃんとスペースに出ているか確認するため人の様子をうかがう)オロオロしている人がいた。
美樹さんだ。
「どうしたんですか。」
「あの…。私、差し入れのクッキー持ってきたんですけど、なくて…。もう売り切れましたか?」
「まさか。見てましたけど、まだ何も売切れてませんよ。えーと、すみません。置いてなかったかもしれません。…商品名は何ですか?」
「あの、クッキーで、△〇☆何ですけど。昨日、箱で置いたんです」
思い当たることが一つあった。
由美子が持って行ったクッキーのメイカー名は「△〇☆」
そのクッキーも箱ごと置いてあった。
由美子は性格が悪く意地悪な社員だった。
※会社情報、個人情報、メイカー名全て、でたらめです。
※この話はフィクションです。実話ではありません。