#004.結末は絶対意外な結末~ボロアパート脱出したい~

 

雨宮加恋は普通の大学生。

コンビニでアルバイトをしながら、コツコツと家の家賃を払ってくれている。

もちろん、親が出してくれないわけでもない。

加恋が「私ももう大学生なんだから!自分でお金をためて家賃を払うわ!」

といったからだ。

とはいうもの、全額払っているのではなく、3分2近く親が出してくれている。

けれども、だからと言って良い家に住んでいるのかと言えばそうじゃない。

私はどこから見てもオンボロな「おんぼろアパート」に住んでいるのだ。

一応5階まであって、各回3号室まである。

しかし人気がなくて空き家も多い。

私は502号室。「〇号」の〇の数が少ないほど部屋の数が多くて家賃が高くなるのだ。

501号室には一歳年下の女の子、嘉代が住んでいる。

そんなある日私は、嘉代と学校帰りにあった。

「そういえば、嘉代。引っ越すっていう噂があったけど本当?」

私は気になったことを言ってみた。

「あ、そうなんですよ、先輩。引っ越すことにしました」

嘉代はおんぼろアパートからついに脱出できたのか。

「遠いところに引っ越すの?」

「いいえ、今住んでるところと結構近いです」

決まりだ。遠くに引っ越さないのに。家を引っ越すということは…。

私は友達がいなくなるようで、少し悲しかったが満面の笑顔を作っていった。

「そう。おめでとう!ついにおんぼろアパート脱出だね!私も頑張らなくちゃ」

すると嘉代が首をかしげた。

「先輩。いったい何のことですか。私、引っ越しますよ。503号室に。

1号室は家賃が高いんですよ~」

嘉代は笑いながら加恋に目を向けた。

加恋は自分の思い違いに恥ずかしくなった。

※ここに出てくる個人情報(名前やマンション情報)は全て、でたらめです。

※これはフィクションです。実話ではありません。