#011.結末は絶対意外な結末~ゲームがしたい~

「おいおい、健。遊ばねえか」

「あ、翔。おはよう。…いつ?どこで?」

この二人は親友だったが性格は全然違った。

翔は家に親が仕事でいないために、自由気楽な人生を送っていて元気な性格だった。

一方で健は厳しい親がいるために日々勉強に取り組み、又おとしやかで優しい子だった。

「今日。どっかで」

「今日は塾がない日なんだ。遊べるよ」

「そっか。健は木曜は塾ないんだったな。それ以外は毎日のようにあるよな。大変じゃないのか」

「大変だけど。お母さんをがっかりさせることはできないし。きっと未来に役立つんだ」

「あっそ。俺にはよくわかんねえや。」

「どこで遊ぶの?翔の家?」

「いっつも俺んちだから、今日は健んちどう?」

「え?いいけど…。僕のおかあさんは厳しいよ」

「別にいいさ。行こうぜ」

「う、うん…。」

ということで、二人は健の家に行くことになった。

 

健の母は翔が思ってた以上にひどいものだった。

お菓子のかけら一つ落としてはいけないし、姿勢もちゃんとしなきゃいけない。

何より…ゲームをしてはいけなかった。

翔が、どんどんイラ立っていくのを感じた健は翔と自分の部屋に行った。

「ごめんね、翔。これからでも、健んち行こうか?」
「いいや。なんか遊ぶものある?」

「ごめん。僕の家ゲームがダメなんだ」

「ゲームは男の基本っていうのになあ」

「ごめん」

「他にはないのか。」

「カードゲームとか?ボードゲームとか?」

「俺の趣味じゃないな。スポーツはどうだ。野球とかサッカーでもしようぜ」

「ごめん。お母さんに学校の授業以外での体育は禁止されているんだ」

「なんだって!?じゃあ、やっぱりゲームをさせてもらうしかないよ」

「え?お母さんに逆らう気?」

「ああ。悪いがそうする。」

「やめてよっ!」

いきなり健が叫んだ。

「なんでだ?」

「勝ち目がないからだよ」

「それは、俺がどうにか…」

「それにもし、勝ったとしても無駄!」

「どうして…」

「僕んちは、そもそもゲーム機がないんだ!勝ったところで何も変わらないよ!」

翔は健をビックリして見つめた。

健の家にはそもそもゲーム機がなかっただのだ。

※この話はフィクションです