「おいおい、健。遊ばねえか」
「あ、翔。おはよう。…いつ?どこで?」
この二人は親友だったが性格は全然違った。
翔は家に親が仕事でいないために、自由気楽な人生を送っていて元気な性格だった。
一方で健は厳しい親がいるために日々勉強に取り組み、又おとしやかで優しい子だった。
「今日。どっかで」
「今日は塾がない日なんだ。遊べるよ」
「そっか。健は木曜は塾ないんだったな。それ以外は毎日のようにあるよな。大変じゃないのか」
「大変だけど。お母さんをがっかりさせることはできないし。きっと未来に役立つんだ」
「あっそ。俺にはよくわかんねえや。」
「どこで遊ぶの?翔の家?」
「いっつも俺んちだから、今日は健んちどう?」
「え?いいけど…。僕のおかあさんは厳しいよ」
「別にいいさ。行こうぜ」
「う、うん…。」
ということで、二人は健の家に行くことになった。
健の母は翔が思ってた以上にひどいものだった。
お菓子のかけら一つ落としてはいけないし、姿勢もちゃんとしなきゃいけない。
何より…ゲームをしてはいけなかった。
翔が、どんどんイラ立っていくのを感じた健は翔と自分の部屋に行った。
「ごめんね、翔。これからでも、健んち行こうか?」
「いいや。なんか遊ぶものある?」
「ごめん。僕の家ゲームがダメなんだ」
「ゲームは男の基本っていうのになあ」
「ごめん」
「他にはないのか。」
「カードゲームとか?ボードゲームとか?」
「俺の趣味じゃないな。スポーツはどうだ。野球とかサッカーでもしようぜ」
「ごめん。お母さんに学校の授業以外での体育は禁止されているんだ」
「なんだって!?じゃあ、やっぱりゲームをさせてもらうしかないよ」
「え?お母さんに逆らう気?」
「ああ。悪いがそうする。」
「やめてよっ!」
いきなり健が叫んだ。
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「なんでだ?」
「勝ち目がないからだよ」
「それは、俺がどうにか…」
「それにもし、勝ったとしても無駄!」
「どうして…」
「僕んちは、そもそもゲーム機がないんだ!勝ったところで何も変わらないよ!」
翔は健をビックリして見つめた。
健の家にはそもそもゲーム機がなかっただのだ。
※この話はフィクションです