「いくわよ」
ママが私に言った。
これから私たちはパパを迎えに行くの。
私は行く途中にママに言った。
「ねえ、ママ。面白くしようよ」
「面白くって…どんな?」
「うーん。例えば、かくれるの」
「隠れる?」
「うん。いっつも待ってるとこに階段があるでしょ。そこで上手に隠れるの」
「そうね。やってみましょう。だけど私は疲れたからやめておくわね」
「うん。」
私はそう言って隠れ始めたの。
私はもう子供じゃないから!
かくれんぼくらい上手にできるんだから!
私はついに良い場所を見つけた!
ここなら絶対見つからないもんねー。
安心して私はそこに行った。
パパが来た。
ママは私が隠れたのだと教えた。
パパはやっぱり私のことを見つけれない。
やっぱり私はかくれんぼが得意ね。
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(ママ目線での今回の出来事)
「いくわよ」
私はリコに言った。
今年5歳になる(現在4歳)私の娘・リコはパパを迎えに行くのが大好きだ。
だから、わざと幼稚園の終わる時間までパパは帰らないようにしている。
ただ、今日のリコは私にかくれんぼをしたいと言ってきた。
だけど、たいていの子供はかくれんぼが下手だ。
カーテンの後ろに隠れるときはカーテンがポッコリしているし足は出ている。
布団にもぐりこむときにも下半身が出ている。
自分の目を隠せば自分が見えなくなると思っている。
でも、そんな姿が可愛いから、見えないふりというものをするのが親だ。
ついにリコはある場所を選んだ。
階段の内側だ。
パパはその反対側から来るから、見えないとも思うが、透明系の階段だったために姿が丸見えだ。それにリコは目をつむっている。
パパが来た。
私はパパにかくれんぼをしていると伝えた。
するとパパはリコの周りをぐるぐる回って、リコが見えないと言っている。
リコは超乗り気でくすくす笑ってる。
絶対、私すごいって顔だ。
可愛い。
私は思わず笑ってしまった。